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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第49章 別れの挨拶


謙信「あなた方が手塩にかけて育てた娘を必ずや幸せにする。
 時は違えど、俺達を天から見守っていて欲しい」

「っ、謙信様、ありがとうございます」


謙信様の姿が曇って見えなくなった。
両手で口元を覆って俯くと、膝の上に涙がポタポタと落ちた。

寂しいのと、嬉しいのとで頭の中がごちゃごちゃになった。


謙信「今の誓い、二人で守っていこう。共に…幸せになろう」

「は、はいっ」


守るように肩に回った腕は私をしっかりと支えてくれる。


謙信「ほら、笑った顔も見せろ。
 泣いてばかりいると心配をかけるぞ?」


長い指が首をくすぐった。


「ふ、や、やだ、謙信様。くすぐったいです」

謙信「ああ、泣きぬれた顔で笑っている様も愛らしいな」

「や、もう…。お父さんたちにバカップルだって笑われちゃいますよ」

謙信「心配をかけるよりマシだろう?もっと笑え」

「ちょっ…アハハハハ、やだ、くすぐりすぎですってば!」


家族との最後のお別れは、謙信様のおかげで笑顔で済ませることができた。


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