第39章 現代を楽しもう! ❀結鈴の素朴な疑問❀
みゆき「結鈴ちゃんはどんな人が好きなの?
みゆきは背が高くて、優しくて、浮気しない人がいいなぁ」
結鈴「『うわき』?結鈴はね、会ってみたい人が居るんだ。
なんだかねー、その人に会えばとっても好きになる気がするの」
結鈴は『うわき』という単語に首を傾げつつ、ある武将人形を頭に浮かべていた。
みゆき「会ったことないのに好きなの?げーのー人?」
結鈴「げーのー人じゃなく、ママのお友達。
ママからその人の話をいっぱい聞いたら、凄く気になるんだぁ」
結鈴の目がキラキラと輝いた。
まだ会ったこともないし、写真もない。
武将人形と、舞の話だけなのに、結鈴には何故か気になって仕方がない人物が居た。
その事を知っているのは舞だけだ。
みゆき「そうなんだ!会えるといいね!
そうだ!結婚した時のためにおままごとで練習しなきゃね!続きしよっ!」
結鈴「うん!えっと、呼び捨てだよね。
『みゆき、おかえりなさい。お疲れ様でしたね。今夜はきのこご飯ですよ』」
みゆきが目を丸くして、だめだめ、というふうに顔の前で手を振った。
みゆき「結鈴ちゃん、待って!口調が変だよ、た・め・口!」
結鈴「え?だってママはいっつもパパにこんな感じだよ?」
みゆき「えーー?変だよ、絶対!
そこは『みゆき、お帰りー。今夜はキノコご飯だよ』でいいんだよ」
結鈴「そ、そうなの?旦那さんにそんな感じで話かけて良いの?」
みゆき「結鈴ちゃんのパパとママって、なんだか変だねぇ?」
結鈴「そうかなぁ?ふふ、おかしいね」
みゆき「うん、面白い」
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呑気にままごとを続け、その日、舞が迎えに訪れた時、
結鈴「ねえねえ、ママって『ないえんの妻』なの?
もしかしてパパと結婚を認めてもらえなくて、パパは国から逃げてきてるの?
あと『うわき』とか『駆け落ち』って何かなぁ?」
「…………………は?」
舞が結鈴の言葉にピシリと固まってしまったのは言うまでもなかった。