第39章 現代を楽しもう! ❀結鈴の素朴な疑問❀
(第三者目線)
結鈴「ねえねえ、みゆきちゃんちのママってさ、パパのことなんて呼んでる?」
保育園の自由遊びの時間。
結鈴は友達のみゆきといっしょにおままごとしていた。
今日は結鈴がママ役で、みゆきがパパ役だ。
二人が座っている周りには、木の葉を器にみたてて、砂や小石、枝などで作ったご飯が並んでいる。
パパ役のみゆきが仕事から帰ってきたシーンになり、結鈴がたずねた。
みゆき「え?『パパ』が多いかな。それかパパのお名前が『しんじ』だから時々『しんじ』って呼んでるよ」
みゆきが『なんで?』という顔をしている。
結鈴「んー、なんかね、結鈴のママ、パパのこと『謙信様』って呼ぶの」
みゆき「パパに『様』をつけるのー?変だねぇ?
もしかして結鈴ちゃんのパパって凄く偉いの?」
結鈴「うん、よくわからないんだけど、とっても偉い人で普段はお城に住んでるんだって」
みゆき「お城!?」
結鈴「うん、お城」
みゆき「じゃあ結鈴ちゃんのパパは王子様なの?」
みゆきの脳内には西洋の城が思い浮かんだらしい。
結鈴が『ん?』という顔をして首を傾げた。
結鈴「うーん、王子様って感じじゃないなぁ、かっこいいけど。
どっちかというとお殿様って感じがする。
あとね、ママとパパって苗字が違うんだよね。なんでだろう」
佐助という忍者がついているくらいだから城と言っても結鈴には日本の城が思い浮かんでいるようだった。
みゆき「え?苗字が違うの?みゆきのママとパパは『田中』だよ?」
結鈴「そうだよね~。でもママは『水崎』で、パパは『三雲』なの。
しかも三雲は本当の苗字じゃないんだって。なんでかなぁ」
幼い二人がままごとの手を止めて『うーん』と考え込む。
みゆき「わかった!結鈴ちゃんのパパはきっとどこかの国の王子様でさ、結鈴ちゃんのママと恋に落ちたんだけど認めてもらえなくて逃げてきたんじゃないの!?」
結鈴「え~?」