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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第34章 現代を楽しもう! ❀お勉強編❀


(姫目線)


山の木々から始まった紅葉が街路樹の葉を鮮やかに染め始めた頃…

信玄様がついに退院の日を迎えた。


佐助君が受付で会計を済ませている間に私達は病室まで迎えに行った。


「おはようございます、信玄様」

信玄「おはよう。謙信、姫、迎えに来てくれてありがとな」

「いえ、退院おめでとうございます。この日をお待ちしていました。皆で一緒に帰りましょう」


当初の入院予定期間を大きく上回り、手術前の入院と含めると約2か月の入院になった。

信玄様の退院と同時に、佐助君の大学院での手伝いも終わり、私の家に戻って来ることになった。

経過観察のための通院が終わる約一年後まで、大人4人、子供2人の賑やかな暮らしになる予定だ。


信玄「ありがとう、姫。俺もこの日が待ち遠しかったよ」


信玄様は窓枠に寄っかかって外を見ていたみたいだ。

朝日を全身に浴びてこっちを見た信玄様はすっかり元気そう。


(かっこいい……)


薄手のセーターとジーンズ。
現代の服に慣れていないからと、さらっと着られる服を用意したけど、シンプルな装いが信玄様の魅力を引き立てている。

緩やかに覆うセーターの下に、がっちりとした体躯が隠れているのがわかるし、足のラインが見えやすいジーンズは長い足と引き締まった太ももを綺麗に見せてくれている。

リハビリするほど筋力が低下していたはずなのに、その影は見事に消えていた。

袖を少しまくっているので骨太の手首や腕が見えていて……


結鈴「信玄様、かっこいいー!」


私の気持ちを代弁するように結鈴(ゆり)が声をあげ、信玄様に駆け寄った。

信玄様は結鈴を抱きとめ、よしよしと頭を撫でた。


信玄「小さい姫、今日はいちだんと愛らしいな。髪の結い方を変えてもらったのか?」

結鈴「えへへ~。信玄様、すぐに気づいてくれて嬉しい。
 パパったら、結鈴が教えるまで気づいてくれなかったんだよ」

謙信「……」


本当は気づいていたんだろうけど結鈴が信玄様に会うためにおめかししたのが引っ掛かって、素直に誉めてあげられなかったみたいだ。


「ふふ、結鈴。パパはやきもちをやいただけだよ」

結鈴「やきもち…?しっとだね?」

「はっ!?」

結鈴「友だちのみゆきちゃんが教えてくれたの」

信玄「ははっ、この時代の子供達はませてるんだなー」


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