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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第28章 秀吉さんがくれたハンカチ


(第三者目線)


男「あの人だ……絶対」


遠ざかっていく舞の後ろ姿を男が見つめる。
隣に居た黒髪の男の口がにっと吊り上がった。


黒髪の男「見ただけでわかるのか?」

男「ああ、絶対そうだ。
 なんでだろう、初めて会ったのに…『会えて嬉しい』って思ったんだ…」


男は舞の前では取り繕っていた表情を崩した。

片手で口元を覆い、頬がわずかに上気しているのを黒髪の男が面白そうに見ている。


女「私もあの人だと思う」


一緒に居た女も瞬きもせず舞を見つめている。



一見どこにでも居る三人組の男女。
しかし周囲の空気に馴染まない異質な雰囲気が漂っている。

やがて三人は何か言葉を交わしながら、行き交う雑踏の中に消えていった。



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