第26章 不義
(第三者目線)
舞は一番に謙信を見つめ、目を潤ませた。
「何からお話したら良いのかわかりませんが、こうして再び会えたこと、嬉しく思います」
手を付いて頭を下げた拍子に、左手薬指の指輪が光った。
佐助「……」
佐助はその光を複雑な心境でみつめる。
信玄「ああ、姫。顔を上げてくれ。
それで子供の声がしたような気がしたんだが?」
信玄は昨夜と同じく舞の手をとって頭を上げさせると、三人が一番気になっていることを聞いた。
舞は頬をサッと赤らめて目を伏せた。
「はい、私の子供です。あの子達は…私と…」
舞が説明しようとしている最中に、謙信の体が動いた。