第25章 3人で…
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(第三者目線)
通常なら一刻かかる道のりを佐助は半刻で駆け抜けた。
街灯もなく舗装されていない道のりでそれができたのは夜目がきいたおかげと、もって生まれた身体能力を謙信によって鍛えられたおかげだった。
途中、安土からの追手と佐助の護衛とが背後で争う声がしたが前だけを見て進んだ。
別邸に突っ込みそうな勢いで走ってきた馬に門衛は驚き、佐助と気づかず槍を向けた。
佐助「すみません、謙信様に急ぎの知らせを持ってきました。
時間が惜しいので通らせてもらいます!」
門衛「さ、佐助殿?」
門衛が佐助だと視認した時には、既に佐助の姿は馬の背から消えていた。
振り返ると、馬の背を蹴って跳んだ佐助の影が別邸の塀の向こうへ消えるところだった。