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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第17章 姫の手紙


そのくらい眼光鋭く責められている。


佐助「俺の計算では次回発生する確率はほぼありません」


ダンっ、と床を蹴る音が聞こえた。
謙信様が刀の柄に手をやっている。


謙信「舞が居る500年後と、この世が繋がる道はもう無いというのか?」


謙信様の本気の抜刀を避けられるだろうかと額に汗がにじむ。


佐助「ええ、このことは舞さんには伝えてありました。今回開くワームホールを最後に、ほぼ99%の確率で次回は無いだろうと。
 だからこの手紙…文は、今生の別れを伝えているんです」

幸村「99ぱーせんと?ってなんだよっ」

佐助「絶対発生しないというのが100%。
 限りなく発生しない、ほぼ可能性がないというのが99%だ」


ひゅっと風切り音が聞こえ、さっきまで座っていた場所に謙信様の愛刀が美しい軌跡を描いた。


(空気が動いたのと同時に身を退けていて正解だった)


振り払った刀を目にも止まらぬ速さで突きつけながら、謙信様が言い放った。
戦場でそうであるように1ミリたりとも無駄のない動きだった。


「残り1%。開く可能性があるのだろう?
 それを探れ!今すぐ!!」


こんなにも感情を乱した謙信様を見るのは初めてだった。

その場はなんとか信玄様と幸村がおさめてくれて、それ以降、俺は星の観測とそのデータに基づく計算を何度も試みることになった。



けれど、ワームホールの発生は絶望的な数値を示した。



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