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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第12章 看病七日目 木製の鈴


(謙信目線)


虎の刻(午前3時)を過ぎた頃



舞が眠ってからずっと寝顔を見ている。

今まで人の寝顔になど興味もなかったが、舞の寝顔はずっと見ていても飽きない。

寝言を言ったかと思えば、何か食べる夢でも見ているのか口がムニャムニャ動く。

悪戯に眉間に触れればうるさそうに手で退けようとする。

警戒も何もない呑気な寝顔が愛おしくてたまらなかった。


謙信「俺にこのような女ができるとはな……不思議な縁だ」


すうすうと寝息をたてる恋人から目が離せなくて困る。


謙信「そろそろ行かねば…」


舞の髪をひと掬いすると、芳しい香りのするそれに口づけを落とす。


謙信「必ず迎えに来る。あまり寂しがらず、笑って過ごせ…」


布団から出て舞に掛けなおしてやる。

国の話を聞いてやりたかったが、今度会う時までの楽しみにしておこう。


「んん~~、謙信様…ふふふ」


にやけた顔で枕に頬ずりしている。


(まったく何の夢を見ているのだ?)


あまりにも警戒心がない様子に呆れかえるが、俺の夢を見て笑っているのなら悪い気はしない。


謙信「会えない日は夢で会おうぞ……愛している。この命尽きるまで」


唇に軽い口づけを落とし、舞の寝顔を目に焼き付けて城をあとにした。



そうして俺と佐助は夜明け前に越後へと旅立った。


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