第11章 看病七日目 愛を交わす(R18)
全てを出し切ると腰の動きを止め、謙信様は恍惚とした表情で言った。
謙信「お前のここに俺の子種がいるのか…」
謙信様は私の下腹を優しく撫でてくれた。
「ん、け、んしん様…」
トクン…トクン…トクン…トクン…
絶頂が過ぎ去ったというのに私のナカはわずかに脈打ち、初めて得た快感に歓んでいる。
麻痺したように頭ははたらかず、でもお腹のナカに吐きだれたモノを喜び、奥へ奥へ取り込もうとしていることだけは感じていた。
謙信様は腰を押しつけた体勢でピタリと動きを止め、とろけるように甘い眼差しで見つめてきた。
謙信「俺を受け止めてくれてありがとう、舞。愛してる」
顔に張り付いた髪を直し、髪を梳いてくれる。
余韻がおさまりきらない身体は髪に触れられるだけで気持ち良さを生み出し、謙信様の情欲をきゅうっと締め付けてしまう。
「謙信様……大好きです」
ちゅっ、ちゅっ、とこめかみにキスされるたびに謙信様の濡れた髪が頬にあたる。
謙信「愛していると言ってくれないのか?」
(くすぐったい)
クスクスと笑いを漏らしながら考える。
『好き』はわかるけど『愛する』がよくわからなくて今まで使ったことがなかった。
でも謙信様は今まで付き合ってきた人達とは全然違う。
次元が違うというか『好き』だけじゃおさまらない愛おしさがある。
(これがきっと『愛している』って感情なのかな…)
今まで生きてきてわからなかった言葉を、やっと理解できた気がした。
「あまりその言葉を使ったことがなくて…。
愛しています、謙信様」
不慣れな言葉も謙信様にはすんなり使えた。
髪を梳いてくれたお返しに褪せた金髪を梳いてあげると切れ長の瞳が気持ち良さそうに閉じられた。
(ふふ、猫みたい)
ずっと撫でていたくなる。
謙信「愛らしく果てたな。怖くなかったか?」
「はい。強く抱きしめてくださったので…」
イッた瞬間、二人で一つになったような不思議な感覚になった。
感じたのは怖さではなく一つになれた喜びと、謙信様を愛しいと思う気持ちだけだった。
謙信「そうか」
顎をつたってきた汗を手の甲でぬぐう動作が色っぽい。
火鉢があるだけの寒い部屋で、私たちは体から湯気が出る程に汗をかいていた。