第8章 看病六日目 道ならぬ恋
(看病6日目)
(謙信目線)
朝起きると佐助が起きていた。
佐助「おはようございます、謙信様。今朝は熱がないようです」
謙信「下がったか」
無理をしていないか首筋に触れて確かめる。平熱のようだ。
佐助「忙しい時に長らく寝込んでしまってすみませんでした」
謙信「よい。今日は一日様子をみる。調子が良さそうであれば少し外を歩いてこい」
佐助「わかりました」
謙信「越後の連中が再三帰城しろと言ってきている。早ければ明日、遅くとも明後日には帰るぞ」
帰る、そう言った瞬間に寒々しい部屋がさらに冷え込んだ気がした。
佐助「はい。舞さんともお別れですね」
謙信「寂しいのならきちんと別れを告げておけ」
佐助「いえ………」
病人の佐助に何故か心配顔で見られた。
謙信「なんだ?」
佐助「いえ、なんでもありません」
何か言いたげな佐助を無視して朝の鍛錬に向かった。