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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第92章 現代を楽しもう! ❀デート編(R-18)❀


謙信「どうした、急に…」

「謙信様のものになれた気がしたんです…あの日……」


(あなたのものになれた気がして…あなたを私のものにできた気がしたの…)


車は駅前を通り過ぎ、もう直ぐ家に着く。

あと数日後にワームホールが発生する。発生予測地点の沢田さんの畑が見えてきた。


(数日後には戦国時代だ)


この一年のように、のびのびとした日々はきっと無いだろう。
だからこそ現代で過ごした日々が、デートをした一日が、ひどく胸に迫ってくる。


謙信「思うところはあるが、お前の言う通り全て俺のものに出来たのは…嬉しい」

「ふふ、良かった。でも本当に……傷のことは気にしないでください。私の我儘でしたことなんですから」


そのおかげでさっきめちゃくちゃ恥ずかしい思いをしたけれど……、そのくらい平気と思えるほど心は満たされている。


「戦国時代に行っても……ずっと一緒に居てくださいね?」


言霊が本当にあればいいのに。


(あなたの傍にずっと居たい……)


それ以上の願いはない。


謙信「もちろんだ。春日山の連中にばかっぷるだと思われようと、傍に置く」

「い、いえ、そこまでは…しなくても良いです…」

謙信「遠慮しなくて良い」

「してないですっ」

謙信「舞」

「はい、なんでしょうか?」


謙信様の瞳に不思議な熱が揺らめいていた。


謙信「何を不安に思っているのか察してやれないが…どのようなお前も………愛している」

「っ」


一瞬止まった思考に言葉も出てこなかった。


どんな手を使ってでも私のものにしたいという気持ちを見破られたわけではないけど、『どのようなお前も愛している』という言葉が…胸の内を明るく照らしてくれた。


「謙信様………ぐす」


涙を目にした途端、謙信様の目が大きく見開かれ、クールな雰囲気はどこかへ………慌てたようにハンカチを取り出した。


謙信「っ!?突然泣くな!あぁ、ほら…運転中だろう、前は見えているのか?」


涙を拭いてくれようとしたハンカチに視界を遮られる。


「わわわっ!?謙信様、あ、ぶないですっ!」



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