第92章 現代を楽しもう! ❀デート編(R-18)❀
「こんなに愛情いっぱいに抱いてくれるのに…離縁なんて、ないです。
それどころか引き留めるためにグルグル巻きにしてしまいたいです」
縄で縛られている謙信様を想像し…ありえないなと密かに笑う。
謙信様にはいつ何時も隙ひとつないから、私に縛れるわけがない。
謙信「ふっ、舞に縛られるのは悪くないが、縛るのは俺の役目だな」
「たとえ……ですからね?」
謙信「わかっている」
ふっと笑みを浮かべている頬には褪せた金髪が何本か張り付いている。
緩慢な交わりでも感じ合い、欲して…お風呂上りだった肌は二人共しっとりと汗ばんでいた。
見下ろしてくる細められた眼差しに心臓が小さく跳ねた。
(謙信様のこの表情…凄く好き……)
信玄様や佐助君に向ける鋭い目つきも勇ましくて素敵だなと思うけど、愛でるように細められている瞳を見ると、いつも胸が高鳴る。
謙信「動くぞ。達する前も、達した時も、なるべく力は入れるな」
「う…そんな高度な技ができそうにないんですが……」
謙信「息を詰めず、大きく吸って吐くだけだ。
力が入らないよう、締めつけぬよう意識するだけで大分違う………子を孕んだ時の練習だと思え」
「……え?妊娠中の…練習?」
謙信様の綺麗な顔に、少しだけ悪戯な色が混じった。
謙信「この抱き方は孕んだ女と交わる時のやり方だ。
子や母体に負担をかけぬようにするために静かに交わる。戦国の世では激しく絶頂すれば、腹の中が大きく収縮し、良くないとされている。
今のお前は孕んではいないが、力を入れてはいけない傷があるからな…」
「お、お気遣いありがとうございます……ふふ、妊娠中に口ではさせないと言っておきながら…こっちの練習をするんですね?」
からかったつもりだったのに、謙信様は真面目に受け取り眉をひそめている。
焦燥が入り混じっているのは気のせいじゃない。
謙信「大事な時期は交わりも口淫も無しだぞ?
だが安定期というものがあるだろう。それとも舞は孕んだら身体を許してくれないのか?」
「ふふ、いいえ、そんなことないです。練習…しますね」