第92章 現代を楽しもう! ❀デート編(R-18)❀
一つ目を排出したなら、あとは小さくなっていくばかりだ。辛いだろうとは思ったが、引き抜く指に力を入れた。
意図を察した舞の顔が強張った。
「あ、嘘っ、やだ、謙信様、ゆっくりっ!!~~~~~」
プツン…プツ…プ………プチュン!
「ひゃっ!!!いっ……やっっ!!」
残り4つのビーズを一息に引き抜けば舞は涙声で叫んだ。
連なるビーズが体外に出る度に腰を浮かせて痛がった。
謙信「全部抜けた…すまなかった」
「うぅ、謙信様……」
縋り付いてきた舞が愛しくて抱きしめた。
一気に引き抜かれた痛みと恐怖のせいで、肩で息をしている。
謙信「すまなかった。もうしない。痛むか?」
「はぁ…感覚がなくて…よくわかんないです」
謙信「っ…すまなかった」
「だ、いじょうぶです。どちらかと言えば、今は嬉しい気持ちの方が強いです」
(嬉しいだと?)
謙信「これほどの痛みを与えられて嬉しいとは、お前はいたぶられるのが好きなのか?」
(一年近く一緒に居て、舞の趣向に気付かなかったというのか!?)
まさかと問い詰めると、薄茶の瞳が大きく見開かれた。
「ち、違います!痛いのが好きとか、そういう人間じゃないですからね?」
謙信「違うなら何に対して嬉しいと?」
「私…謙信様が過去に、城主としての嗜みと義務でそれなりに女性を抱いてきたっていう話を聞いて、ふとした時にそれを思い出して悔しいなって思っていたんです。
でも謙信様は私と出会う前の過去に、やきもちを妬いたりはしなかったのでしょう?私だけが割り切れずに嫉妬しているのかなと悩むというか…落ち込むというか…していたんです。
だから謙信様が私の過去の出来事を『悔しい』って言ってくださって、嬉しかったんです」
謙信「そのような些末なことをずっと気にしていたのか?」
「む、謙信様にとっては些末なことでも私にとってはひっかかったんですっ!」
過去に嫉妬するなど無様だと思っていたが、舞もそうであったのなら、許されることなのかもしれない。
謙信「わかった、すまなかった」
素直に詫びると舞はぎゅっと抱きついてきた。
脈も呼吸も通常に戻ったようだ。