第92章 現代を楽しもう! ❀デート編(R-18)❀
腕の中で舞がビクビクと跳ねた。
「あっ、だって、うっ……!謙信様は見たい、のでしょう?
『大好きな人の色んな顔を見たい』って思ってくれているのでしょう?」
逢瀬の最中に舞が俺に言った言葉だ。
謙信「っ」
腕に囲った舞を見ると苦痛に耐え、目を硬くつむったまま懸命に言葉を紡いでいる。
「私も、……いつも思っているんです。謙信様が、はっ……ぁ、声をあげて笑う顔を見てみたいな、とか…、っ!!
困った、顔とか…くすぐったそうにしている顔も、うぅ、私に愛され、我慢して…顔を歪めている所も、全部見たいって…。
だからきっとこうして痛くするのも…私が痛がって泣く姿を見てみたいと…思ってくれたからでしょ?」
腕に力を込めて抱きしめた。
謙信「っ、それも理由のひとつだ。最初はお前が痛がっている様を見たいとそう思っただけだった。
だが実際目の当たりにしたら……悔しくなった」
「え…?」
閉じていた瞳がゆっくりと開かれ、戸惑いがちに見つめてくる。
さっき見つからなかった理由が話しているうちに見つかった。
腰の動きを止め、一時の休息を与えると舞は安心したように耳を傾けてきた。
すっかり息があがっている。
可愛い口がフーフーと懸命に酸素を取り入れている。
謙信「指を挿入しただけで本気で痛がっている舞を見て、男を知らぬ少女(おとめ)のようだと思った。それを見ていたら………お前の初めてを奪ったのが俺ではないことが悔しくなった。
今更過去などどうしようもないというのに。
憂さを晴らすと言うと言葉が悪いが、疑似的にでもお前の初めての時の様子を見たかった」
話しているうちにやっと持て余していた熱が落ち着いた。
冷静になれば何故このような惨い仕打ちをしていたのかと後悔が先に立った。