第90章 現代を楽しもう! ❀謙信様の誕生日編❀
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朝から謙信様に愛された身体は一日中だるく、やっとのことで仕事を終わらせ保育園のお迎え時間になった。
龍輝「ママ、それなに?」
結鈴「アイス?」
帰りがけに予約していたプレゼントを受け取りに行くと、お店の人が発泡スチロールの箱に入れてくれた。
それを見て龍輝達が首を傾げた。
「これね、パパのパーティーに使う予定なんだ。とっても割れやすいから気をつけなきゃいけないの。
振ったり転がしたりしたら駄目よ?」
運転中に揺れ動かないように、慎重に助手席の足元に置く。
結鈴「はーい」
龍輝「パパ、喜ぶといいね?」
「そうだね!よーし、帰ったらパパのために皆で夕飯を作ろう。
結鈴達には人参をお花の形にしてもらうよ」
結鈴「クッキーみたいにするの?楽しみ」
龍輝「僕も」
「ふふ、今日はちらし寿司ケーキを作るんだよ。
パパ、喜んでくれるかな」
半年前まで謙信様には二度と会えないと思っていたから、誕生日を祝う日がくるなんて嬉しくてたまらない。
一日一日がとても大事に感じるのは言うまでもなく、今日みたいに特別な日は目一杯お祝いして、楽しみたいと思う。
結鈴「ママ…顔が…」
「ん、何?」
龍輝「デレデレしてる…」
バックミラーで表情を見られてしまったみたいだ。慌てて頬に手をやった。
「そ、そんなことないよ!」
結鈴「どーせ『パパ、どんな顔してくれるかなぁ』とか考えてたんでしょ」
「う」
(するどい)
龍輝「ママはパパが大好きだよね~。でもパパ、格好良いからわかるなぁ」
「でしょ?パパって格好良いよね…」
眼差しも声も、性格も全部、全部、謙信様を形成する全てが格好良い…。
脳裏に謙信様を想い浮かべているとミラー越しに結鈴と目が合った。