第90章 現代を楽しもう! ❀謙信様の誕生日編❀
(姫目線)
立春を迎えても春の気配は遠く、寒い日が続いていたある日。
午前中で仕事を終えて家に帰ると、謙信様と信玄様はふたり揃ってオンラインで特別講習を受けていた。
佐助君はこれから大学院に行くところだとジャケットにリュックを背負って現れた。
佐助「舞さん。知っていたら余計なお世話だと思うんだけど、一応念のために知らせておきたいことがあるんだ」
「なになに?そう言われると凄く気になるんだけど」
佐助君が2月になっている壁掛けカレンダーを見たので、私もつられてそちらを見た。
もう直ぐ北海道旅行に行くので、出発日に赤く丸印がついている。
佐助「2月18日は謙信様の誕生日なんだけど、知ってる?」
「へえ、そうなんだ………えっ!!?」
赤丸印に気をとられてうっかり軽く返してしまったけど、すぐに佐助君を凝視した。
(誕生日!!!)
「うそ…謙信様の誕生日って今月なの!?」
佐助「その反応、やっぱり知らなかったみたいだね。
舞さんにしてはゆっくり構えていると思ったんだ。もしかして隠れて準備をしているのかもしれないと思ったんだけど、知らないんじゃないかっていう可能性も考えて声をかけてみたんだ」
佐助君が小さく「良かった」と息をはいた。
「佐助君、ありがとう!
何も用意していないよ、どうしよう。あと3日だよね…」
信玄様の誕生日パーティーをした時、謙信様に誕生日を聞いたら『まだまだだ』と言っていたから、もっと先なのかと思っていた。