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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第87章 この命、尽きるまで


謙信「……」


謙信様はあの時のように刀は抜いておらず、なびいた髪をひと筋、手に取った。

宝石のように綺麗な瞳が私をじっと見つめてくる。

風がやんでも、ひと筋の髪は謙信様に捕まったままだ。

髪に形の良い唇が近づけられた。


謙信「愛している、舞」


出会ったあの時はためらいなく切った髪を、今は髪の先まで愛おしいとでも言うように、唇を落とした。

胸がキュンと疼いた。


「け、謙信様……っ!私も大好きです、愛しています!」


数歩離れていた距離を一気に縮めて腕を伸ばした。


結鈴「わぁ、珍しくママから抱きついてる」

龍輝「いつまでたっても……」

瑞穂「ほんと、パパとママは仲良しだね」


謙信様や安土の皆と出会った日本を離れ、新たな旅へ出る。

不安はあるけど、謙信様と、子供達が居るところが私の居場所だ。


「謙信様、愛しています。私と出会ってくれて、ありがとうございます」


想いを込めて頬にキスした。


一生に一度の恋は、タイムスリップした先で大きく花開いた。

海の向こうに遠ざかっていく大地を見ていると、謙信様と出会ってからの出来事が走馬灯のように過った。


ありえない出会いをして惹かれ合い、手をとりあった。


(一緒に居ることを当たり前にしないで、この方を一生大事にしよう)


じっと見つめると、謙信様の目は至極幸せそうに細められ、強く抱きしめ返してくれた。


謙信「俺の方こそ…時を駆けて出会ってくれた舞に感謝している。ありがとう、愛している」


不意に落ちてきた唇に、そっと目を閉じた。




過去と未来を行き来してもまだ足りないと、道は続いていく。
私達が紡ぎ出すストーリーは大海原の向こうで新たなページを刻んでいくだろう。


どこに行っても、何があってもあなたの手を離さない

幾百、幾千、幾万の日を越え、あなたを幸せにする

この命尽きるまで、いつまでも



鮮やかな希望、期待、愛をのせ、私達を乗せた船は大海に乗り出したのだった。


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