第77章 聖なる夜は騒がしく
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夜が更けて、かまくらでの酒宴はお開きになった。
小さなかまくらの火は消えていて、提灯の灯りを頼りに家に戻ってきた。
眠そうにしていた結鈴と龍輝は布団に入るなり直ぐに寝てしまい、きゅーすけもやっと静かな場所にこられたと龍輝の布団の上で丸くなった。
急いで寝支度をして布団に入ったのに、
…入るなり謙信様に夜着を脱がされてしまった。
謙信「今夜は随分と他の男と仲良さげにしていたな?」
口元は笑っていたけど、目は嫉妬で揺らいでいた。
「う、すみません」
謙信「少しは自覚があるようだな。
お前はいつも危なっかしい…俺のものだと自覚しろ」
「謙信様のものですよ?」
謙信「ならば他の男にかまうな。
俺の傍に居て、俺のことだけを考えていろ」
「一緒に居るのに無理ですよ、ひゃ!?」
少し冷たい手が脇腹をくすぐって、思わず変な声を出してしまった。
両手で口を押さえた私を、謙信様が笑って見ている。
謙信「素直に返事をしなかった仕置きだ。
独占という名の欲を舞に刻みつけながら、愛してやろう……」
「ど、独占って……私は謙信様にいつも独占されてるじゃないですか…」
謙信「全然足りない。独占できる時間などたかがしれている。
朝から 晩までずっと一緒に居たい」
「ふふ、私も……ずっと一緒に居たいなって思ってます」
お互い忙しいからなかなか叶えてあげられないお願いだけど、いつか叶えてあげたい。
脇腹をくすぐっていた手が下腹を優しく撫ぜた。
謙信「混ざり合い、溶けて…ひとつに……」
「ん……」
その夜、謙信様は貪るように私を抱いて朝まで離してくれなかった。
朝、目覚めた龍輝と結鈴が『クリスマスプレゼントが届いてるーーーー!!』と大騒ぎしたのにも気付かず、私は正体もなくぐっすり眠りこけていた……らしい。