第72章 おまけ
(第三者目線)
舞が眠ったのを確認して佐助はそっと天井裏から外へ抜け出した。
佐助「心配になって忍び込んできたけど、凄いことを聞いてしまった。
早く春日山の謙信様達に知らせなきゃ」
佐助が城壁を飛びこえ走り出したところで、同業の気配がした。
蘭丸「っと、佐助殿と言ったっけ?
舞様がもらったお年玉の話、聞いたんだ?」
佐助「はい。相手がわからない以上、越後に居る皆にも知らせておこうと思います」
二人は街灯もない真っ暗な道を全速力で駆けて行く。
蘭丸「大変だね佐助殿も。三が日、安土と越後を行ったり来たりで」
佐助「上司が上司なので…。では、俺はこっちの道です。
蘭丸さんは顕如さんのところですか?」
蘭丸「正解☆知らない仲じゃないから、一応毛利元就のところに投げ文でもしておくよ。
そうすればあの帰蝶にもつたわるでしょ」
佐助「そうですね。これに関しては情報共有しておいた方がいいと思います」
蘭丸「明日が楽しみだなぁ♪」
佐助「ふっ、そうですね。願わくば舞さんの恋が実って欲しいな」
蘭丸「同感!じゃあね、佐助殿」
佐助「さようなら、蘭丸さん」
二人の忍びは音もなく走り続け、各々の主人の元へ戻っていった。
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――
信長が与えたお年玉のことは次の日には全員に知れ渡り、
今か今かと知らせを待っていた一人の男のもとに、舞から一通の文が届いた。
初々しく旅立った二人は、三日後……
仲睦まじい恋仲になって帰ってきた。
END