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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第72章 おまけ


(光秀)

なるほどな九兵衛が言っていた意味がわかった

舞、おいで………



床板が抜けていない!?つららはどうなった?
と訳の分からないことをいう舞の手を引く

舞の自室に面する庭には俺が早朝に作っておいた三段重ねの雪だるま

え?なんで?

と驚いている舞はいそいそと庭に降りて、雪だるまに駆け寄った

雪だるまの目には小さな木皿
鼻にはニンジン
手は枝分かれした木の枝
胴体には目より一回り大きな木皿

首には舞の箪笥から失敬した赤色の帯

舞に似るようにと、木の枝を短く折って作った、弧を描く口


おまえにそっくりだろう?

そういってやると舞は「うん!」と笑った


ああ、可愛いな
真っ赤でなんとも奇抜な装いも今日で終いかと思うと、惜しい気がしてくる


(姫)


まさか!まさか!!!

光秀さんが私にそっくりの雪だるまを作ってくれていたなんて!

朝起きた時にいなかったのはこの雪だるまを作っていたから?
おはようって言えなくて寂しかったけど……

すごく嬉しいな…

クリスマスツリーもないし、ケーキも一人分しか作れなかったけど……

初めてのクリスマス、一緒に過ごせて嬉しかったな


光秀さんが作ってくれたと思うと、この雪だるま可愛い
抱き締めたくなっちゃう

む!なんで止めるの?

雪だるまを抱きしめちゃいけないって決まりあるんですか?



(光秀)

時々舞は幼子のようなことをするとは思っていたが、まさか雪だるまを抱きしめるとは思わなかった

俺が作ったと知り、舞い上がったのだろうが、しかしだ

そんなに肌を晒した服で、雪の塊にだきつく奴があるか

とめたら不服そうな顔をしていたが、ニンジンの鼻をつつき、木の枝の手を握りご機嫌にしている


~~~♪
~~~♪


舞が昨日、馬の背で歌っていた歌を歌い始めた

昨夜『あの歌はくりすますそんぐっていうんです』と言っていた

赤い服を着て、雪だるまと戯れながら歌う姿はおおよそ変人のようでもあるが、舞の可愛い歌声と幸せ溢れるような笑顔は、見たことのない500年後のクリスマスがいかに楽しいものなのか教えてくれるようだった


可愛い歌声にかぶせるように歌ってやる


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