第69章 毛玉の家来
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時は少し遡り、舞が傷ついた子猫を拾って1か月がたった頃。
傷が治ったので放してやろうとしたが、子猫は里山を出ようとはせず、そのまま謙信と舞の家で飼われることになった。
謙信「そろそろ名前をつけてやったらどうだ。
『ねこちゃん』では様にならんだろう」
「そうですね、オスなのに『ちゃん』っていうのもね…。
結鈴と龍輝はつけてあげたい名前ある?」
龍輝「うーん、ねこちゃんで慣れちゃった。
このままねこちゃんでいいんじゃない?」
「ふふっ」
(やだ、『猫さん』って名前をつけていた三成君みたい)
悪阻の時に毎日遊びに来てくれた猫さん。
元気にしてるかなとちょっぴり切なくなった。
結鈴「じゃあこの子は『きゅーすけ』ね」
「ふふ、可愛い名前だね。なんできゅーすけなの」
結鈴「んーとね、畑にいっぱいキュウリができてるから!」
「そ、そっか。季節感があって良いかもね。
じゃあこの子はきゅーすけっていう名前にしよう」
結鈴「へへ」
結鈴が嬉しそうに笑った。