第65章 大雪の夜に(R-18)
お互いの興奮の度合いが荒い吐息に表れて、部屋に響く。
謙信「舞、はぁっ……」
腰を汚した白濁を乱暴に拭うと謙信様は私の身体をくるりと仰向けにした。
「ん……」
顔の横に両手をつかれ、顔を覗き込まれた。
呼吸が整わず鼻で大きく息をしながら、謙信様を見つめ返す。
謙信「ふっ、どうした。不満げな顔をしているな」
「ん」
考えていることを見透かされそうで、目を逸らす。
(気持ち良かったし、ちゃんとイケたのに…)
謙信「………舞、こっちを見ろ。
そんなに俺のものが欲しかったか?」
核心をつかれ、頬が熱くなった。
交わったのに……空っぽのお腹が切なかった。
謙信様は仕方ないというように帯紐をほどき、口に入れていた布を取り出してくれた。
「はぁっ!」
一気に呼吸が楽になり、胸いっぱいに息を吸いこんで、口から吐いた。
口がきけるようになっても恥ずかしくて質問には答えられない。
二色の目が悪戯を含んで細められた。
謙信「お前は今『できやすい時期』だろう。いいのか?」
「っ!?」
予想外のことを言われ、口がパクパクするばかりで言葉が出てこない。
(えっと、生理がきたのが……あ、ほんとだ)
日数を確認すると言われた通り『そういう時期』だ。
謙信様が私以上に身体の状態を把握していて、頭が大混乱になった。
「な、なななななんで、そんなこと知っているんですか?」
動揺してしまい、せっかくの甘い余韻もどこかへ飛んでいってしまった。
謙信様は隣に寝転び、片肘をついた。
敷き布団に乱れ散らばっている髪をひと掬いすると、毛先をくるくると弄び始めた。
指先は遊んでいたけど表情は真剣そのものだった。
ボンヤリと毛先を眺めながら薄い唇が開いた。