第65章 大雪の夜に(R-18)
(ど、どうしよう。謙信様がひいてくれないし、なんだか私も……)
謙信様の熱意にほだされて、お腹の奥がジワリと疼いた。
林の中で少し触れ合い、それっきりだ。
熱心に求められたら『触れて欲しい』『繋がりたい』気持ちが膨れ上がった。
謙信様を受け入れたい気持ちはあるけど声が筒抜けなのはどうしようもない。
(だったら…)
ひとつの案を提案した。
「謙信様、私の口を縛ってもらえませんか?声が洩れないように」
驚いたのか謙信様の腕の力が弱まった。
「声を聞かれたくないんです。だから…」
(恥ずかしい。自分から『縛って』なんて)
謙信「お前が望むなら」
下りてきた低い声には明らかに欲を含んでいて、愉しげだった。
謙信「縛っては口づけができなくなる。その前に……」
「ん、んっ!」
吐息が頬に触れたと思った時には既に唇を奪われていた。
唇を食まれ舐められたかと思うと、煽るように口内深くまで侵入された。
舌が絡み合い、時折くちゅ…と水音がもれた。
「はっ、謙信様」
口づけの角度を変えながら謙信様の両手が身体を弄(まさぐ)り、着ている夜着を邪魔そうに乱していく。
ほどいた帯を引き抜かれ、袷を緩められれば、あとは襦袢一枚だけ。
襦袢越しの肌を楽しむように大きな手が触れてくる。
(久しぶりだからかな。凄くドキドキするっ)
耳の奥でドクドクと脈打っているのを感じる。
溶けはじめた身体がどんどん熱くなっていく。
謙信「そのとろけた顔をずっと見たかった」
謙信様は両手をついて私の上に覆いかぶさると満足げに笑った。
謙信「……もう縛って欲しいのか?」