第65章 大雪の夜に(R-18)
(姫目線)
謙信「仕方のない奴だ。起きろ…」
半分眠りかけたところで謙信様の声がして、口づけされた。
最初は浅いものだったけど、私が起きないと知るや、唇を割り開いて舌が侵入してきた。
「ん、ふっ……ふぁ?」
眠りかけていたところに口内を弄られ、意識が浮上した。
目を開けると視界いっぱいの美しい顔。
(眠り姫が王子様のキスで目覚めた時はこんな感じだったのかな)
寝ぼけながらウットリと見つめる。
(かっこいいなぁ、謙信様は…)
謙信「嫌か?」
(……何が『嫌』なんだっけ?)
さっき『抱く』と言われてのを思い出して、完全覚醒した。
「っ、抱かれるのが嫌なんじゃく、声を聞かれたら恥ずかしいんです!そういう意味で嫌です」
結鈴「うーん」
「っ!!」
寝言が聞こえて身を固くする。
身体を起こして、少しだけ離れたところで眠る二人を確認する。
子供達だけで寝られるようにしようと練習中なので、現代の時のように布団に潜り込んでくることはなくなったけど…
(同じ部屋に居ることは変わりないもんね)
もし起きたらと想像をするだけで物凄く嫌だ。
なんていうか…教育上、良くないと思う。
「子供達も居ますし、ね?」
やんわりと断っても謙信様はひいてくれなかった。
謙信「ならいつまで待てばいい?結鈴と龍輝が別室で寝る日など来るか?」
「しばらくこないですね。まだ練習を始めたばかりですし…」
謙信「いつまでも待っていられぬ。俺は今すぐお前が欲しい」
頭のてっぺんに口づけが落ちてきて、じわじわと私の身体も熱くなってきた。