第64章 大雪の夜に
(姫目線)
保存食作りが一段落し、家の冬越えの仕度も大分進んだ頃、里山は突然の大雪に見舞われた。
雪が静かに降り積もって景色を白い世界に変えていく。
降り続ける粉雪を見ながらホッと息を吐いた。
「冬支度の準備、間に合って良かった。
備蓄もできたし、出かけられなくてもしばらくは大丈夫だね」
どこの家でも冬支度に入る時期はお米の値がつりあがっていて、9人分のお米を手に入れることはできなかった。
もう少し早く里山についていればと悔やんだくらい、お米は高かった。
佐助君と蘭丸君が交渉してなんとか手に入れてきてくれて、足りない分は小麦粉と雑穀類でまかなうことにした。
龍輝「こんなにいっぱい雪降ったの初めて!」
結鈴「お外であそぶーーー」
結鈴(ゆり)と龍輝(たつき)は降り積もる雪に大はしゃぎで遊びまわり、雪合戦だ、雪うさぎだと遊び通した結果、夕飯を食べてすぐに寝てしまった。