第63章 上司のために佐助大活躍!
俺の作戦は成功し、謙信様は褒美として『一日だけ』鍛錬から解放してくれた。
たったの一日かと思ったけど、少しとはいえ謙信様と二人きりで過ごせた舞さんはとても幸せそうだった。
ふんわりとした笑顔を見ていると、一日でもいいか、なんて気になる。
(良かったね、舞さん)
大事な人の笑顔は何にも代えがたい価値がある。
頑張った甲斐があったというものだ。
謙信様からもらった休日、部屋でゆっくりしていると……
信玄「佐助、ちょっといいかー?」
佐助「はい……なんですか、信玄様」
信玄「俺の盆栽がこの間からひとつ見当たらないんだ。何か知らないか?」
佐助「…知りませんね」
信玄「今の間は何だ?割ったなら正直に言えば許してやるぞ?」
佐助「いえ、割ったわけでは…あ」
信玄様の誘導にまんまとはまってしまった。
佐助「すみません、もう少し貸して欲しいだけなんです。近日中にお返しします」
信玄「盆栽を貸して欲しいなんて、お前もおかしな奴だな。まぁ、枝葉を傷めないならいいぞ」
佐助「はい、ありがとうございます」
休みなのに全然休めた気がしなかった…。