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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第59章 それぞれの道


信長「あやつらが舞の言葉を思い出せば、その瞬間に歴史は変わる。あの二人は生きている。気長に待て。

 
 秀吉と三成は神をも欺(あざむ)くかもしれぬぞ?」


愉しむような声を聞いていると、そうかもしれないと流されてしまいそうだ。

信長様の考え方は私と一緒だ。

現代に一人で居た頃、500年前の『あの時』を謙信様が生きていると信じていた。

『歴史上の人物』にはしなかった。


(そうだった。秀吉さんも三成君をまだ生きている。
 きっと必死に天下を安寧なものにしようと懸命に生きているはず)


「ありがとうございます、信長様!私、秀吉さんと三成君を勝手に過去の人にしていました。
 まだ生きているのに、まだ可能性はあるのに。
 歴史が変わるよう、待とうと思います!」


膨らむように気力が湧いてきて、すくっと立ち上がった。
遅れること数秒、信長様は苦笑して立ち上がった。


信長「魂ごとどこかへやったような顔をしていたが、今の貴様はまあまあ見られる。
 泣き顔は似合わん。呆けた顔で笑っていろ」


頭をぽんぽんと撫でると信長様は小屋を出ていった。

外から佐助君と信長様が会話しているのを聞きながら、私は心機一転、秀吉さんと三成君の未来が変わるようにと祈った。


(どうか皆の未来が良い方向に変わりますように)


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