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☆一夜の夢☆〈イケメン戦国 上杉謙信〉

第58章 時の神



(?目線)


“ 愛している ”


この言葉を口にしたことはない


人を愛するとはなんなのか

理解せずとも生きられた
その言葉を口にしないからといってなんの障害もない


だが舞を見る度に胸の奥が湧きたってくる


腕の中にとじ込めたい
朗らかな声をずっと聞いていたい
滑らかな肌に触れたい
心の内をもっと知りたい


誰にも使ったことのない言葉が容易く口から出そうだ


だが舞はあの男しか求めていない
あの男の話をすると、輝かんばかりのきらめきを体中から放つ。


ならその男に寄り添い、輝き続けろ


その男の隣でずっと笑っていろ



気に入ったからと強引に自分のものにするだけが全てではない



好いた女の幸せがこの手の内に無くとも、

その頬を赤く染める役が己でなくとも、

貴様が幸せであるならそれでいい

心底好いた相手だからこそ、そう思うのだろう


愛している


俺に『愛をする』ことを教えたのは貴様だ


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