第4章 帰る場所 【冨岡】
ふふんっ、義勇さん悔しそう。
私の方が義優のお世話頑張ってるんだから!
私たちはあの後、半年後に祝言をあげて
その翌年には義優を授かった。
義勇さんに似てふさふさな黒髪に
吸い込まれそうな青の瞳をしている。
私に似てるのは性格かな。
「おかーしゃん、かわいい!しゅき!」
あ、中身もお父さん似かも。
「残念だな、お母さんはお父さんのものだ。」
そう言って後ろから私を抱きしめる義勇さん。
「もう!ここはお外ですよ!」
「ちがうもん!よしましゃのだもん!」
まさかのここで戦いが始まったの?
…でも、悪い気はしない。
「お母さんは、2人のものですっ!
仲良くしてくれないと泣いちゃうよ?」
「やだ!泣かないでぇ!」
泣き真似をすると、義優は優しく頭を撫でてくれた。
うっ、何ていい男なの!
「ならば今夜存分に啼かせてやろう。」
「ひぇ⁉︎」
「他の男にうつつを抜かすとは、とんだ妻だな。」
「この白い肌に、この桜のような満開の花でも咲かせようか。」
こっちの男はなんて色気なの!