第18章 11月22日(良い夫婦) 【煉獄】
「本当にこの日を知らなかったとでも…?」
「え…だって。」
「君を騙せたとなれば、俳優冥利に尽きるな!」
…という事は。
「えー…。杏寿郎、知ってたの?」
私は杏寿郎に知らないフリをされたのだ。
「せっかく教えてあげたと思ってたのに。」
ブツクサと文句を言えば、クスッと笑って杏寿郎は私にキスをした。
「許してくれるか?俺の可愛い奥さん。」
「…今度は振りとかしないでね。カッコいい旦那さん。」
「うむ、善処しよう!」
そうして、また甘いキスを私に贈る。
何度か啄む様にキスをすれば、段々と呼吸が…。
「ね、ビーフシチュー…冷めちゃうよ。」
「む…悩ましい選択だな。
しかし、腹も減った!先に料理の方をいただこう。」
「もちろん、デザートもあるだろう?」
「え…、何かあったかな。アイスなら…ん。」
真面目に何かあったかと思い出していると
杏寿郎は人差し指を私の唇に当てる。
「この可愛いデザートを…
ベッドで味合わせてくれると楽しみにしているんだが。」
「…ひゃい。」
その後は、夫婦だけの秘密なので
私の惚気話はここまで。
因みに…
「ねぇ、来週の煉獄さんって…」
「それはたとえ愛する君であっても言えん!!」
…ですって。
皆さんも良い夜を♡
〜fin〜