第18章 11月22日(良い夫婦) 【煉獄】
「ただいまー。」
「お帰りなさい!ねぇ、今日って何の日だか知ってる⁉︎」
杏寿郎が仕事から帰ってくると、私はすぐに質問をした。
そして、彼は「!!」と慌てた様子でスマホを取り出し、カレンダーアプリを開く。
ふふ。
焦ってる焦ってる。
杏寿郎が今日が何の日か分からなくても、
私は怒ったりしない。
だって、2人の記念日云々ではなく、
ただの語呂合わせの日だからだ。
「…すまん、何の日か…」
「いいよ。来て来て!今日がなんの日かってね。」
杏寿郎が靴を脱ぐのを急かし、私は腕を引っ張った。
私にそんな扱いをされても、嫌な顔一つせず
「ちょっと待ってくれ」と、笑ってついて来てくれる。
カレンダーの前に連れてくると、
私は今日の日付を指さした。
「今月は11月。そして今日は22日。
良い(11) 夫婦(22)の日でしたー。」
去年のクリスマスに結婚した私たちは、
夫婦になって初めての11月22日を迎えた。
だから、今までこの日をそこまで重要視したことが無い。
「はは、なるほど!!」
杏寿郎は私の話を聞いて、納得したと頷いている。
彼の知らなかった知識を教えられて、
私は満足だった。