第17章 レッツ ポッキー!
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「奏が授業に遅れるなんて珍しいな。」
「い、色々あってね…」
そう心配してくれるのは、竈門炭治郎。
説明したいところだが、皆にポッキーゲームを迫られていたなんて話すわけにはいかなくなってきた。
「あ、それ。胸ポケットに入っているのってポッキーか?」
「うぇ⁉︎あ、あぁ…しのぶちゃんにもらって…」
「ポッキーゲームとか中等部の時流行ったなー」
まさか炭治郎から、そんな言葉が出てくるとは思わず
奏の心臓はドキリと跳ねる。
「善逸ー、ポッキーゲームしよう!」
(ほ…よかった。)
しかし、誘われた方の善逸は全力で嫌な顔をする。
「はぁ?なんで好き好んで男とやんなきゃならないんだよ。
そういうのは女の子とやるのが楽しいんだよ!!」
「…そ、そうなのか?」
善逸に拒否されて、炭治郎のポッキーは行方を彷徨う。
「…だそうだ。女の子とやるもんなんだな。」
炭治郎はポッキーのクッキー部分を咥え、奏の方を向いた。
「さぁ、奏。いいぞ!」
「ん?」
い、いいぞ…?
「そっちからかじって来てくれ!」
「たた炭治郎君、これは好きな女の子とやるの!」
伊之助といい、炭治郎まで!
何を考えているのか。
「ん?俺は好きだぞ!奏の事!」