第14章 存在を 【煉獄】
「うわー…」
「うわーじゃない。全く。ほら、脱いで。」
「えっ、いや、いいよ!あっちで脱ぐから!」
無理無理脱がそうとする杏寿郎を制して、風呂場を出ようとすると、杏寿郎が後ろから抱きしめ耳元で囁いた。
「夫の入浴中に入ってきたということは、そういう事ととる。俺の誘いを断るのか?それに、そんなに俺が生きてるか心配なら嫌というくらいに、温もりを感じてもらうとしようか。」
「ひ、ひぇ…⁉︎」
それから、私はあっけなく部屋着を脱がされそのままお風呂で…
その後はベッドで…
本当に嫌というくらい、体力も無くなるくらいにぬくもりと存在を打ち付けられた。
大丈夫、煉獄杏寿郎は貴女の中に生きてますよ。
そして、心の炎を燃やしてくれています。
そう思うと悲しくないでしょ?
「奏、集中…」
明日のために、目元を冷やすのを忘れずに。
〜fin〜