第13章 鳥籠の鳥 2 ❇︎ 【煉獄】
「うあー!!終わった終わった!!」
宇髄が開放感から叫び出した。
「お疲れ!!今日は定時で上がって良いよな!!」
「あったりめーだろ!!採点は明日から授業までにやりゃぁいい。
今日は早く帰ろうぜー。」
「甘露寺をほったらかしにしていた俺の罪は深い…」
伊黒は最近、甘露寺と居れる時間が少なかったようで、少しやつれた様に見える。
皆早々にカバンを背負い、帰宅の用意を始める。
さぁ!これで好きなだけ奏に触ることができる!!
昨日彼女は泣いていた。
それほど俺を待ち望んでいたという事なのだろう。
そんな彼女を抱いたなら、俺たちは至福の時を過ごせるに違いない。あの潤んだ瞳の彼女とこれ以上ない程に愛し合いたい…。
ニヤけてしまいそうなのを我慢しつつ、帰り支度を済ませ席を立つ。
すると、宇髄にポンと止められる。
「悪いが…「お前、大丈夫か?」
飲みなら後日誘ってくれ。
そう言おうとしたら、大丈夫かと聞かれる。
「何がだ?」
「いや、ここ最近ずっと思ってたんだけどよ。
顔、酷いぞ。ストレス抱えてますって顔してる。」
「ストレス?ストレスなど…」
「お前、彼女と一緒に住んでんだよな?」
「あぁ。」
「頻度はどのくらいだ?」
ざっくりな質問だが、流石に何を聞かれているかは分かった。
「それは人には言えないが!!」
「ほれ。」
宇髄は耳に手を当てて、こっそり教えろと少し屈む。
「むぅ…。ほぼ毎日だが、最近はしていない。」
こそっと耳打ちする。
「最近っていつから。」
…まだ聞くのか⁉︎
「ここ2週間ちょい…もう少しで3週間になる。」
「はぁ⁉︎」
急に叫ばれ、不覚にもビクッと肩を震わせた。
そして、事件は起こる。