第10章 現代鬼殺隊 【竈門】
今日は…この公園か…。
夜9時半。
奏はある公園にやってきた。
八重によるとここに塾帰りの子供を狙う鬼が現れるという。
奏の駆けつけた時には人通りはなく、しん…と静か。
鬼は人の動きがないと動き出さない。
「ここは待つしかないか…」
奏は公園の中で一番高く、見渡せる木の上で様子を伺う。
近くには塾が4つほど。
時間になって終われば保護者が迎えに来て帰っていくが、中にはその保護者を待っていたり、家が近いから歩いて帰る…なんて人もいるだろう。
鬼が狙うのは、そこ。
まだ動きはない。
腕時計を見ると9時50分。
塾の終わりもそろそろだろう。
「…どんな鬼かしら。」
男に化けているか、女に化けているか…
はたまた一度は気をゆるすために猫などに化けているか。
9時55分になった時、一斉に塾の周辺が騒がしくなる。
高校生たちがぞろぞろと出てきて、車に乗り込んだり、友達と話したり…。
奏は警戒を強めた。