第8章 愛情表現 【我妻】
「ねぇねぇ、みくちゃんは放課後何してるのぉ?」
「あ!まなみちゃん、今度の休みにさぁ…」
…まったく。
今日も懲りずに声をかけている善逸くん。
「またやってるのか?善逸は懲りないなぁ。」
「紋逸は何であんなに女に付き纏ってんだよ。」
善逸に呆れ顔の2人。
竈門炭治郎と嘴平伊之助。
この2人は善逸くん含め3人でよく行動している。
「すごいよね、心が強いっていうか…」
「奏もそう思うか?
だいぶ長い付き合いだが、こればかりは手に負えないよ。」
ははは…と力なく笑う炭治郎くん。
その苦労、お察しします。
でも、誰かれ構わずに声をかけている様に見えるが、きっと彼なりに基準があって選んでいるんだと思う。
何でそう思うかというと…
「ねぇ、善逸くん。」
「え?何?」
私にはめちゃくちゃ冷たいからだ。
本当に同一人物?って思うくらい。
「と、冨岡先生からの伝言で、風紀委員の冊子を持ってきてって。」
「げ、まじか。分かった。」
…ありがとうもなし。
流石に凹む。
だって、私は善逸くんに恋をしているから。
冷たくされてるのに…って?
確かにそうなんだけど、でも彼が心優しい人だってことは凄く分かるから。