第64章 生き方
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プルルルル…
(うっさいなぁ…)
いっその事、携帯ごと壊してしまおうか。
今更あいつらと連絡を取ることもないし。
大きくふりかぶる、その刹那。
「ちょ、八乙女せんぱーーーーーい!」
頭上を飛んでいる先輩たちの姿が。
「七海せんぱーい!こっち!」
3人?
だれ、あの人。
「無事でしたか」
「まぁ、なんとか。先輩方も無事でよかったです」
七海先輩に、八乙女先輩。
それと…
『八乙女千春』
「へ?」
差し出された手を見る。
人間の手。
あれ、私の目がおかしい?
「あは…なるほどぉ。顔似てますねー」
『体は千夏の母親、紅のものだ。まぁ、元を辿ればそれも嘘になるけどな』
「はは……おもしろーい」
考えるのをやめた。
今なら何が起きてもおかしくないのだから。
「あ。ってことは、八乙女先輩」
名前を呼んでから、お姉様と名前が同じで紛らわしいかも、なんていう気遣いを思いついて。
でも、言い直さなかった。
「私のために死んでくれるんですね♪」
両手の手のひらを組んで可愛くオネダリ。
「は?」
真っ先に反応したのは、私たちの約束を知らないであろう七海先輩。
次に漏れたため息は、お姉様のもの。
1番最後に残された八乙女先輩は…
「状況は?」
と、初めて声を発した。
「……えっとですね、五条悟が封印されたことにより、ほぼ全ての術師が五条悟のために動いています。まぁ、補助監督の件とか、夏油傑の件とか、色々ありますけど、私は一般人の誘導と適当の呪霊を祓うっていう感じの任務ですね」
「私達は補助監督殺しの奴を探して移動してるの。和田さんも来る?」
ふむ。
五条悟の封印がかなり効いているのか。
「うーん、遠慮しときます」