第63章 望まれた暁には死を
手伝わせてくれないし、七海ちゃんが来るまで暇なのかな、と思ったけれど、その待ち時間は全て千春との会話に使われた。
『知らないところで色々起きてるな』
「うん。千春はここで千冬達と待ってて」
『バカ。私も行くに決まってるだろ』
千冬と千秋は空いていたベットに寝かせてもらった。
後どのくらい眠っているのかは分からないけれど、連れて行っても危ない思いをさせるだけだ。
「…来てくれるの?千春はもう不死身じゃない」
『でも、お前は私がいないと死ぬ』
千春のこれは決して私の力を舐めているのではない。
だから、心底嬉しくなった。
「…好きだよ」
『私も。一緒に五条悟を助けよう』
「うん」
「ごめん、千春さん。こっち手伝って欲しい」
硝子が片手で術式反転を使って、片手にはハサミが握られていた。
『ああ。何をすれば?』
「これを傷口に」
『…10グラムくらいか』
「流石ですね。お願いします」
『了解』
私のことは頼らないくせに…!
『……千夏。こっち来て。絆創膏、貼ってくれないか?』
「うん…!」
千春に呼ばれて、棚から絆創膏を探す。
やっと私にも仕事が来た。
「…子供か」
『…ああやって扱うのが1番楽だ』
「勉強になりますー」
それからしばらくすると、七海ちゃんか人2人抱えてやってきた。
「2人とも重症です」
「そっちに寝かせておいてくれ」
黒のスーツを来た人。
高専で見かけたことがあった気がする。
治せないことは分かっているけれど、そっと手をかざしてみる。
前は治癒くらい、簡単に出来たのに。
『やめとけ。力の加減、まだ出来ないだろ』
「…うん」
『私がいなくなって体も驚いてる。もう少し慣れたら、調整を覚えればいい』
「……そしたら、また治せる?」
『ああ。千夏ならできる』
甘やかされていることはわかっている。
でも、心強かった。