第61章 封
「問題大あり!!!」
開口一番にそう言うと、千春はわかっていたかのように説明を始める。
『五条悟を救うには、お前の母親の力が必要。これは絶対』
「いいよ?でも」
『紅さんは千夏の安全は保証してくれる。この状況において、私はそれだけで十分だ』
「じゃあ」
『他の人はお前が守れ。できるだろ?』
「千春がいたら頑張れるけど、でも」
『紅さんが望むことはたかが知れてる。千夏が想像してるようなものじゃない』
私の質問を全て先読みする。
時間な無いのは分かるけれど、少し強引すぎやしないか?
『…他には?』
「傑は私が呪霊を捕まえればいいって…」
『その呪霊はどこに?目印はない。どうやって探す?』
「それは帳の中を…」
『宿儺達はその帳を壊そうとしてるんだぞ?』
帳が壊されれば、呪霊を見つける確率がぐんと低くなる。
悠仁も恵も……そして、全く知らないけれど猪野さんも、きっと強い。
「……じゃ、じゃあ、ママの、事なんだけど」
『手短にな』
「その、ママはどうしてそんなに五条家が嫌いなの?」
毎朝鏡で見る顔に似ているママの顔。
似ているけれど、ママの方が綺麗だ。
目はぱっちり二重だし、まつ毛も長い。
顎もシュッとしていて、鼻も高い。
「あの家のせいで、私は幸せになれなかった」
「だから?」
「そう。だって、生まれた時から将来が決まってて、一生縛りを受けて生き続けるなんて、ムカつくでしょ?」
だから私は戦って裏切られて逃げた、と。
ママは悲しい顔ひとつせずに言った。
それがとても悲しく感じた。
「…でも、悟の大切な人達を傷つけるのは嫌だ」
『別に殺し合いをするわけじゃない。だよな?』
「まぁね。千夏ちゃんはに会ったことないみたいだし、ただ会わせるだけでも充分復讐になるっしょ」
沢山聞きたいことがありすぎて忘れていた。
これだ、これ。
私と悟のお父さんが会うとどうして復讐になるんだ?
私が馬鹿すぎて、悟のお嫁さんになる女として失望するから?
「何で?」
「ん?何が」
『千夏、そろそろ動こう』
「今質問し」
『紅さん、まず教えて欲しい。これには────』