第60章 こてん
「それで、五条さんは?」
「只今こちらに向かっているとのこと」
「…」
「八乙女さんも…五条さんと一緒にいます」
「2人で中に?」
「私はそう聞いてます」
「非術師がやつを知っているわけがない。言わされているな」
「多分そうっすね。その五条さんですが、今こちらに向かってます」
「1人で?」
「……いえ。八乙女さんと一緒です」
「「!?」」
「フッ…それはそれは。ワシらも危ないかもしれんな」
「はぁ?頭おかしくなったのかよ、ジジイ」
「お前らは知らんだろうな、知らんでよい」
「上は被害を最小限に抑えるために、五条悟単独での渋谷平定を決定したっちゅーワケだ」
「”でも”、なんだろ?」
「…ああ。あのバカは自分の彼女を連れて……ってもう彼女じゃないんだっけ」
「それあの2人の前で言うなよ。殺されっぞ」
「悟!普通に歩けるってば…」
「ほんと?でも、僕から離れないでね」
「わっ…」
20:31
五条悟、八乙女千夏 現着
「こりゃやばい」
「みんな可愛いね」
「ハロウィンだしね〜」
悟の腕にひっつきながら、仮装しているみんなの頭の上を通る。
「ていうか、千夏ってば自分で歩けるんじゃない?」
「うん。でも、はぐれちゃいそうで怖いから」
「たしかに。んじゃ、捕まっててね〜……ほい、失礼」
ほいっ、ほいっと。
私達は順調に建物の真ん中に位置した。
下には線路。
上下の階には数えられないほどのたくさんの人。
「フム……何となく狙いは分かったかな」
「えっ、嘘」
「本当」
なんで?
ただ歩いてただけじゃん…!
「乗ってやるよ」
一際低い声で、悟はそう唸った。
「…みんなのこと傷つけちゃダメだよ」
こんなところで戦ってしまったら、一般人に被害が及ぶ。
私や悟は自分の身を守る方法を知っているけれど、みんなは知らないだろうし、まず敵のことを認知出来ないかもしれない。
「うん。だから、千夏を連れてきたの」
「…できるか分からない」
「大丈夫。僕も手伝うから。それならいいでしょ?」
「……うん、頑張ってみる」