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【呪術廻戦】infinity

第58章 特別編①


****


朝から千夏を追いかけようとは思わない。
なびくスカートを目で置いながら、傑の言葉を噛み砕く。


(え。え。俺、なんかしたの?)


あんなことやそんなことって、何?
いやいや、そんなことするはずない。


「……俺、何した?」


でも、自分を信用しきれない。


「あんなことや、そんなこと」
「だから、それって何だよ」
「可愛い乙女にあんなことやそんなことを、言わせたいのかァ?」
「だるい。早く言えって」


「「( ⑉¯ ꇴ ¯⑉ )」」


は?
何その顔。


「千夏が絡んだときの顔は、何回みても飽きない」


ほんとにさ…。


「安心しろ。お前が何がする前に、ちゃんと止めたから」
「…俺、何しようとしてた?」
「千夏のこと押し倒してキスしようとしてたから、夏油が手をサーって入れ込んでって感じ」
「もっと早く止めろよな…」


未遂でよかったけど…。
逆に言えば、それだけであいつは走り去るくらいに恥ずかしがってるってこと?
は?
可愛すぎね?


「千夏と距離置いた罰。ちょっとは苦しめ」
「距離って…」
「千夏、泣いてたよな」
「泣いてた泣いてた」
「嘘つけ。あいつは泣かねーよ」


そうだよなぁ。
流石に露骨すぎたか。
逆の立場だったら、俺も萎えるし。


「避ける理由は?」
「…別に」
「あー出た。大事なことは絶対話さないやつ」
「いつか話すって」


申し訳ないと思ってる。
でも、言えない。
自分のことが、もっと情けなく感じてしまうから。


「…」
「何やってんの。早く入ってきなって」
「いや、出ていった手前、普通に入るのもなぁ…って」
「普通に入れ」
「怒んなよ…」


気を使っているのか、元々は隣の席だったけれど、今は傑と席を交換している。
自分でも酷いことをしていると分かっているが…。
いや、やっぱりこのままは良くない。


「千夏」
「…へ?」
「後でコンビニ行こうか」


俺が早く強くなればいい話。


「や、やだ」
「何で」
「その顔……わら。っちゃう…し」


そう言って吹き出す千夏。


「お前なぁ…!」


どんな場面でも千夏は千夏。


「だ、って…あはは!!」


この素直さが大好きだった。


だから、



俺が絶対に、この手で守るんだ。



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