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【呪術廻戦】infinity

第7章 運命




目を開けたい。

でも、中々瞼が重くて開けられない。



「起きた?」

「…ん。目が開かない」

「だろうね。保冷剤持ってくるよ」



私が体を起こしてから硝子が立ち上がり、冷凍庫から保冷剤を持ってきてくれた。

ひんやりして気持ちがいい。



「お腹は?」

「大丈夫」

「さっきまでグルグル鳴ってたけど」

「え、マジ?」

「嘘」



硝子はニヤッと笑って私の肩を叩いた。



「…硝子、ずっといてくれたの?」

「勿論。お陰様で、肩と腰がバキバキ」



時計を見ると、私が寝落ちしたであろう時間から5時間が経っていた。

5時間もあんな辛そうな体制のままいてくれたなんて。



「…ありがとう」

「マッサージしてくれてもいいよ」

「する。全力でさせてもらう」

「加減はして」



悲しいことに、私は高校生になるまで友達がいなかった。

だから、本や映画などを見て、友達という存在に憧れていた。

登下校を一緒にして。

放課後はカラオケとかに行って、大声で笑って。

テスト勉強がだるいと愚痴りながら、一緒に勉強して。

時には喧嘩をしてみるのもいいかもしれない。

こんな風にずっと妄想していた。



「あー、そこ。千夏、上手いじゃん」

「ほんと?やるの初めてなんだけど」

「マジ?これから定期的に頼むわ」

「うん、分かった」



ここは普通科の高校とは全く違う。

勉強らしい勉強はしてないし、お金を貰えるし、何より命をかけている。

でも、私はここで憧れていたものを手に入れることが出来た。

やっと、やっと、手に入れることが出来た。

友達と馬鹿みたいに騒いで、喧嘩して、そしてまた、笑い転げる。

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