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【呪術廻戦】infinity

第48章 緊急事態




『…無理』

「…貴方しか頼れる人がいない」

『無理。私は何年も前に逃げたの。それに、八乙女先輩を助ける義理もない。生徒達だって…そう』



あと少し。



「千夏さん達を救おうとしなくていい」

『…じゃあ、誰を救うんですか』

「貴方自身、なんてどうですか」

『こんなことに関わらない方が安全なんですが』

「…声、震えてますよ」



あと少し。



「お願いします」

『…』

「…彼女が大切なんです」

『…まさか、先輩って』

「…お願いします」

『…もう。ずるい。先輩は本当にずるい』



嫌な記憶を思い起こさせてしまっただろうか。

私も今、彼女と同じことを考えているのかもしれない。



『…分かりました。やってみます』

「ありがとうございます…」

『その代わり、今度話聞かせてくださいね』

「…それは勘弁し」

『勘弁しません。詳しいことはメールでお願いします。色々と準備があるので』

「…分かりました」



はぁ。

忘れていた。

彼女は実に厄介であることを。



彼女に私が知っている詳細をメールして、現場に着いたら生徒達に協力して欲しいと、再度頼み込んだ。



そして今度はもう一度電話。



『ナナミン!どうだった?』

「今、私の知り合いがそちらに向かいます。詳細を話して協力を仰いでください」

『おー、やった!知り合いってどんな人?』

「…私の後輩です。見れば分かるかと」



鈴木ウルハ。

私の一つ下で、呪術高専をしっかり卒業した後、呪術界から離れ一般人として生活することを選んだ。

その後の詳細は知らないが、風の噂で夫婦で店を経営していることは知っていた。

その店はテレビでも紹介されるような名の知れた店で、誰かがその話をしていた気がする。




(頼みますよ、鈴木さん…)




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