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【呪術廻戦】infinity

第44章 修復 可・不可



団体戦開幕の合図が聞こえて、私も行動を開始する。

と言っても、血をつけた札をちぎれば、仕事はほとんど終わり。

あとは周辺に注意して、例の呪霊を待つだけ。

あのおじいちゃん学長が血を早々に使用しないことを予想した行動だった。



(…ん、いたいた)



彼の名前はホネホネ。

何となくで今名付けた。



「ホネホネ。私だよ、分かる?」

「…」



当然通じるわけがないけれど、こういう会話は怠りたくない。



「いいかい。私はいつでも君を殺せるからね。人間のことを襲ったらダメだよ」

「…」



こんなことを言っても、無駄なことはわかっている。

でも、言いたくなってしまう。



(…ん、危ないかな)



遠くで声が聞こえてくる。

できるだけ領域縁にいたいけれど、ホネホネを連れていくのも至難の業。



「…ホネホネ。約束は守ってよ」



調教させてるから大丈夫だろうけど、少し心配。

あの学長が血と笛をどのように扱うかが、とても不安。

けれど、その不安より冥冥さんのカラスに映る方が不安。

というか、怖い。



結局、ホネホネとの再会は1分で終わり、私は木々が生い茂るエリアに移動した。



「千春…私頑張ってるよ」



以前の私だったら、千春がいないことを思い出すと歩けなくなっていただろうけど、今は違う。

悟も1人で頑張ってる。

だから、千春や悟がいないことでうじうじしないで頑張る。

傑にも、悠仁にも再び会えた。

だから、千春にも絶対会える。



(だって私達は姉妹だもん。一心同体だもん)



「…もう」



頭では分かってる。

頑張らないといけないのに。

どうしても涙腺が緩む。



「私のバカ、弱虫…」



監視カラスからの避難を終えて、携帯を取りだした。

ホネホネの首輪につけてあるのはGPS。

勿論、これは冥冥さんしか知らない。



(大丈夫。私は特別だから)



だから、大丈夫。

何度も心の中で呟き、今回の交流会があの子達の成長に繋がることを祈った。
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