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【呪術廻戦】infinity

第33章 紙一重


*****


「悟は…いなくならないでよ」



千佳さんの件を全て話おえ、私は再び悟の胸に顔を埋めた。



「いなくならないよ。ずっと隣にいるから」



この言葉の重みは並々ならない。

けれど、効果は時間が経てば失われて、負のループへ逆戻り。

その事を知っている私は、正直何度も言って欲しいと頼みたいところ。

でも、そんなことは言わなかった。



「千夏にも言いたいね。いなくならないでよ」

「…ふふ、もちろん」

「放浪癖も早く直して」

「努力します」

「僕よりカッコイイ人がいても、乗り移らないでよ」

「悟よりカッコイイ人なんていないよ」

「菅〇将△とか、吉〇亮とか!」

「…」

「よくテレビ見て、キャーとか言ってんじゃん!僕、地味に嫉妬してるんだから!」



色々な俳優やアイドルの名前を出しては、自分と比べて悟の良さをアピールしてくる。

言い方を変えれば、純粋に自分のカッコいいところを羅列しているだけ。

よく自分で言えるな、と思いながらも、悟の口から出てくる情報は全て正しいものだ。

人を貶して自分を上げる男よりはマシだけれど、自分を誇示してくる姿は少し醜い。



「…悟が素晴らしい男だってことは分かったから。そろそろやめてくれない?」

「ん。じゃあ次は千夏の…」

「もういいです。慰めてくれてありがとう」

「…別に慰めたわけじゃないけどぉ?」



悟は私の顔を挟んで、ムギューッとキスしてきた。

これが照れ隠しであることは当然知っている。

だから、私も悟の首に腕を回して軽く口を開いた。

そして、舌の先っぽを悟の口に突っ込んだ。

すると、すぐに舌が絡まってきて、自分とは違う体温を感じた。

この感覚には未だに慣れず、心拍が上がる。

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