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【呪術廻戦】infinity

第32章 世代交代の道標


*****

そんなこんなで、私は今術師として生きている。

正直、術師にならなくても東京に出る手立てはあった。

それでも、私は自分でこの生き方を選んだ。



「そういえば、何で千夏来たの?」

「そうそう!お土産何がいいか聞こうと思って。1年坊主は何がいい?」

「1年坊主って…。いつの話してんの」

「だって、名前言いにくいんだもん。いじtti…いぢcchi…」



それからというもの、トレーニングとして馬鹿みたいな量の筋トレをやらされて。

ランニングさせられ。

ふみにも学校で行う体力テストでいい点数を取るためだと言って、やらせて。

本当にコイツが嫌いになった。



「私の分は…いらないですよ」

「遠慮してんの?1年坊主のくせに?」

「…ガタガタ」

「ちょい。マジで伊地知に何したの?」

「何もしてないよ。ね?」

「は、は、はい」

「脅すな」



じゃあ、1年坊主は白い恋人ね。

と言って、小さなメモ帳に書き込んだアイツは、くるりと体を回転させて私を見た。



「野薔薇は?お土産、何がいい?」

「カニ、いくら、じゃがなんとか、バターサンド…」

「食べ物ばっか。一体誰に似たんだか」

「千夏でしょ」

「ちょっと。私とコイツを一緒にすんなって」



コイツは馬鹿だけれど、金だけは持っているらしいので、欲しいものはは沢山言っておかないと。



「お土産、僕の分も買ってね」

「何でよ。一緒に行くんだから買わない」

「ケチだな〜」

「そういう問題じゃなくない?」



いい年こいた大人が、2人して浮かれている。

任務でこんな長い間一緒に居られるなんてサイコー!

こんなの初めてだー!

と、既に10回以上惚気られている。



「とにかく、お土産忘れんなよ。アンタの利用価値、そこなんだから」

「ひっど!」



今のコイツをふみが見たら、なんて言うだろうか。

ふみに幻滅されればいいんだよ、こんな奴。



「野薔薇、任務の程度によらず…」

「油断するな、だろ。分かってるよ」

「今の野薔薇のレベルは知らないけど、時間ある時真希に頼んで稽古つけてもらいなよ」

「はいはい」



真希という人が誰なのか知らないが、適当に返事をした。

アイツにとっては今でも私は子供なのだろうか。

だとしたら、心底ムカつく。
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