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【呪術廻戦】infinity

第32章 世代交代の道標



「うわー。懐かしすぎ!」

「…だから、なんで原宿なんすか」

「言ったじゃん。ここがいいって言われたの」



原宿に来るなんて、いつぶりだろう。

千夏たちと来たのが最後だろうか。

となると、10年ぶりくらい…?


『…おいし』


当時は千夏と距離を置くことを考えていたが、間接キスに照れる千夏を見て、ねじが外れかけた。

あの顔が無自覚だと言うのだから、恐ろしい限りだ。



「五条せんせ!あそこのクレープも買っていい!?」

「どーぞ。恵も買ってきたら?」

「いらないです」



さっきからイライラしまくりの恵。

千夏が虎杖に変わり、ここに例の子が加わったら…。



「おっ。あそこにいるね」

「マジっすか…」



スカウトマンに自ら話しかけに行き、引かれているアレ。

事前に見ていた顔写真と一致。

恵には悪いが、あの子が釘崎野薔薇だ。



「俺達今からアレに話しかけんの?ちょっと恥ずかしいなぁ」

「おめぇもだよ」



2人が何やら言っている横で、僕は笑いをこらえるのに必死だった。

その笑いは彼女の自己紹介を聞いて、益々大きくなっていく。

人の顔を見てため息をつく野薔薇。

僕はついに吹き出してしまった。



(似すぎだろ…)



言葉遣い、態度、その他もろもろが、昔の千夏そっくり。

3人に変な目で見られたが、この笑いは止まらない。



「オホン!自己紹介はその辺にして…ククク!」

「先生、どしたの?」

「少々昔のことを思い出して…」



ダメだ。

いつもの僕に戻るんだ…、僕!

そう心の中で叫んで、頬を叩いた。



「ふぅ。ところで、野薔薇―。千夏、泣いてたよ。嘘の日付教えたでしょ」

「げっ。先生、アイツと知り合いなの?」

「まあ、そんなとこ」



面白いほど顔が引きつる野薔薇。

千夏は余程嫌われているようだ。



「そんなに千夏のこと嫌い?」

「はい、嫌いです」



悪びれもなくはっきりとした物言いに、悠仁が”ひぇー”と後ろに傾いた。


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