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【呪術廻戦】infinity

第23章 口走る本音



*****

学長と協定を結び、一安心したコンブだが、なにか忘れているような気がした。



『この術式はコピー。上手くいくか分からないの』



千春の術式は、他人の術式を奪い、渡すというもの。

Q達は千春によって、術式を受け取った。

けれど、それはコピー。

千春は術式を奪うのではなく、コピーすることが出来たのか?




それに、千春は今、”ここ”にはいない。

千春はQより、夏油傑を優先したから…。



(…そしたら、何でQに力を与えたんだろ)



夏油傑を支持するのなら、Q達に術式を与えなければいいじゃないか。

仮に夏油傑を信じていることが嘘だとして、Qを守りたいと思っていたら…。

Qには、もっと万能なの術式を与えるべきだ。



(うーーーん。難しいなぁ)



学長の携帯を借りて、ネットサーフィン。

私の知識はほとんどネットから得た。

スクロールしながら、頭を回し続ける。

記憶を掘り起こし、手がかりを探す。



『術式の原本は…原”人”って言うべき?とにかく、その人はまだ生きてるの。だから、もし傑が今までの禪院家より強ければ、あの子に迷惑がかかる』



だから、できれば使いたくない。

Qはそう言った。

それなら、コピーなんてしなければいいのに…。



(あの子?)



話の流れ的に、禪院家と関わりのある人物。

そして、Qが今まで会ったことのある人物。

不幸にも、私は千春とQが分離した後に作られたから、その人のことは知らない。



(だぁーれだよぉ…)



何で夏油傑が禪院家より強いと、その子に迷惑がかかるんだ。

意味がわからない。



『その子の名前はね────。私が死んだら、謝っておいてね』



その子に会えば、Qを変えられるかもしれないけど…。

肝心なところが思い出せないし。

Qの口の形を鮮明に思い出せれば言いけれど、期待できない。

第一、Qを死なせるつもりはなかったから、ここら辺の話は適当気聞いてたし…。



(なんて言ってたっけ…。濁音があったような、なかったような…)



結局、その子の名前を思い出すことはなかった。

思い出せないまま、12月24日──百鬼夜行の日を迎えた。


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