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【呪術廻戦】infinity

第22章 一握の優しさ




「傑繋がりでこっちの話もしようか…。百鬼夜行の件だが、あいつにも手伝ってもらおうと思ってる」

「まじっすか」

「大マジだ」

「バレること覚悟でってことですよね?」

「いつまでも隠れてるわけにはいかないだろ」



学長の言っていることは正しくて、千夏が表に出てしまうのは時間の問題。

いつバレてもおかしくないのが現状だ。

それに、百鬼夜行は呪術師総出で対応するため、勝ち戦に見えるが、傑がそんな無駄なことをするはずがない。

そのため、千夏のような即戦力はいくつあっても足りない。



「あいつの腕は落ちてないよな」

「さあ。それは本人に聞いてみないと」



今の千夏の強さは、一度見てみないと量ることはできない。

それほどの時間が経った。

それより、何よりも危惧しなくてはいけないのは、上層部。

千夏が表に出て、どのような顔色を示すのだろうか。



千夏の死亡届の出どころは分からない。

どこにも記入者や執行人の情報が書いていないのだ。



「あいつは呪術師として登録されてないんでしたよね」

「ああ。書類を完成させてないから、保留のままだった」

「そうですよね」



これがまあまあ厄介。

呪術師として正式に登録されていれば、情報が保管されていたはずなのに。

千夏に関した情報は、千夏が消えてからほとんど消された。

そのため、上層部が千夏の死を信じているのか…。

その反対に、千夏の生存を知ったうえで、死亡届を受理したのか…。

直接問いただすほかに知る方法がない。



「うん、大丈夫。裏であいつの戦力を考えておきましょ」

「悟がそういうならその方向で」

「学長ともあろう人がそんな簡単に決めていいの?あいつのステータスの9割くらいは、いまだに謎なんですよ」



もしかしたら、千夏が弱くなっていて、逆に足手まといになるかもしれない。

もしかしたら、千夏が傑とグルになっているのかもしれない。



「大丈夫だ。あいつは何も変わってない」

「何を根拠に」

「勘だ」



学長ともあろう人が、勘に頼っていいものなのか。

疑問に思いながらも、千夏の様子を見に行くべく家に帰ることにした。







だから、その勘がコンブによって語られた話を根拠にしたものとは、知る由もなかった。
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